板倉の家の建築は一般的な住宅のそれとは少しだけ異なります。
住宅建築を熟知されている一般の方は多くはありませんが、板倉の家の「一般建築とは異なる特徴」を不安に思われる方もまた、少なくありません。
ここでは、栗田建築設計事務所が実際にご依頼いただいた新築工事を例に、弊社での板倉の家づくりの流れをご紹介します。
立ち上がり位置、配置、換気口位置など、指示書に沿った施工・工程を指示。
木材工場にて、通し柱材、管柱材、梁材の配列を施工図にて確認、選別、番付けを行います。また、板倉パネルの加工状況を確認します。
栗田建築設計事務所では、このように材料をあらかじめパネル化することで、現場での加工作業をなくし、工期短縮による工事費の削減、余分な材料の搬送費、残材の削減、安定した精度の高いパネルの提供を実現しています。
主要な構造材を組み立てることを「建て方」と呼びます。
板倉の家の工事が一般木造住宅と大きく異なるのは、この建て方の部分でしょう。一般木造住宅のように、木の柱・梁・筋交いでの組み上げは行わず、柱に溝を設け、そこに厚さ30mmの杉板を水平に落とし込むことで壁や床とします。
匠たちの連携により、手順に沿って柱・梁が組みあがります。組み上げられたものは板倉パネルとして落とし込まれます。この建て方が済んだ段階で、屋根・内壁・外壁が施工完了した状態となるため、一般的な木造住宅より短い工期(少ない予算)で施工を進めることができます。
各接合は、規格に適した金物と込栓を採用しています。
この事例では、2階床を杉板2重張りにし、PB(プラスターボード)9.5ミリを杉板の間に敷く構成で、床の揺れ・下階への音対策をしています。
内部は柱と梁、板倉の壁に覆われた自然素材そのままの仕上がりです。
外部廻り、各室廻りの工程、納まり状況の確認。
家具加工状況、各室仕上げ区分、設備機器の確認。
検査日程を把握し、引渡しまでの日程を協議します。施工担当者立ち会いのもと、目視および計測に関わる立ち会いを行います。
明るく季節の風を感じるゆとりある18帖のLDKができました。
居間には床暖房を配備し、家族団欒の空間が生まれました。
広々とした間取り、空間を活用したロフト。
床、壁、屋根、全て杉材2重張りの構成です。
耐震、防火を兼ねた、安心・安全な「板倉の家」の完成です。