日本板倉建築協会取り組みのお知らせ
7月の西日本豪雨で被災した岡山県総社市に、東日本大震災時の支援が縁で、被災者応急仮設住宅として、福島県いわき市の板倉仮設住宅を再利用した46戸の無償譲渡が決まり、先ず22戸が移設・建設され9月15日入居が始まりました。さらに24戸が移築され10月上旬完成に向け建設中です。
従来のプレハブ仮設住宅は使用後廃棄されて産業廃棄物となって再利用は不可ですが板倉仮設住宅は、外壁と基礎杭を除いた、柱・梁・壁・床の木材が再利用されています。今回はサッシ、屋根、設備機器も再利用する試みも実施され工費削減、工期短縮となり予定より早い完成となりました。
西日本豪雨被災支援の輪は、日本板倉建築協会の呼びかけで、建設協同組合の協力を得て、各地域の総勢46名の大工さん協働で進行しました。 建設状況はNIKON IMAGE SPACEの総社市板倉仮設住宅建設記録よりご覧いただけます。
さて、2011年の東日本大震災は板倉の家づくりを進展する上で大きな転機となりました。板倉の家づくりを進める関係者協働の元福島県に200戸余りの応急仮設住宅を板倉構法でつくる事ができました。
30㎡(9坪)タイプの室内はコンパクトな間取りでロフトが有り狭さを感じさせない空間となっています。 板倉の仮設住宅にうつり生活をするうちに木の香りが心地よく、無垢材に覆われた室内は被害者に和らぎと活力をあたえ、木の家並みは人々が寄り合う町をつくり上げました。
板倉の仮設住宅がきにいって自宅再建の際には移築、改造をして住宅にしたいとの声が多く聞かれました。
福島県は2016年度に無償譲渡制度、住宅再建支援制度を設定。
上記制度活用の元、板倉の仮設住宅が転用され復興公営住宅に、被害者の再建住宅に、地域の集会所・食堂に形を変えて甦りました。
それぞれの実例は日本板倉建築協会発行の会誌「いたくら」に記載されました。