岐阜県関ケ原のカフェ「ココカフェ」
店長は33才。ご家族の依頼で私が設計した住まいに暮らし育ち、社会へ飛び立った方です。
久方ぶりの再会は、ココカフェの設計依頼でした。
- 設計から完成までの期間が4ヶ月程という短い工事期間。そのため、規格建物を採用、工場で外内装を完備させ、現場での施工期間を短く。
- 関ヶ原という多雪地域、寒冷地域に対応した建物仕様とする。
- 外観は、景観に合わせる色合いを検討。店内は和のイメージとするため、自然素材(桧・杉材・和紙)を採用。
- 水廻り機器は、使いやすさ・シンプルなデザインの市販品。水廻りに耐水性、防火性に対応した内装材を採用。
上記の条件を満たす規格建物メーカーからナガワを採用し、工事期間50日間を設定。規格建物は請負う業者が少なく選別に苦慮しましたが、付き合いの深い共栄土木建築が請負うこととなり、連携がうまくいき、予定通り50日間で完成し引渡しができました。
規格建物:鉄骨造平屋建て/間口2,300×奥行5,500 高さ2,400 4連結 50.7㎡(15.3坪)
積雪1.4M対応型を採用。
寒冷地仕様がないため、床、壁、屋根に断熱材を充填。
外部サッシは住宅用ペアガラスを採用。配列、開口寸法に規制があるので、石田三成陣跡等の史跡が眺める配列ができず苦慮しましたが、設計時に建物の位置、店内の椅子・机の配列、動線を考慮し検討した結果、史跡が眺める客席の配列でき、平面図の完成となりました。
内観は、来客に落ち着きのある和を感じる室内となるように計画。
内部床はクリ材。桧柱2本を1組とした板倉構法を採用し、2組を補強と意匠を兼ねて配列。杉板カウンターを2箇所設置。天井は和紙貼り。店内に木の香りが漂う和のイメージです。
水廻り(キッチン・トイレ・洗面室)の給排水の配管経路、電気配線経路については、規格建物で、柱、梁、補強材の位置が変更できないため、事前の協議と施工図にて検討をした結果、施工者側にも理解ができ、現場での変更なく予測通りの施工となりました。
設計者の想い
今回のココカフェは、用途 喫茶店。
鉄骨造平屋建て、50.7㎡の小規模の建物。
建物の規模、用途に関係なく、構造体がコンクリート造、鉄骨造、木造いずれの構造の場合でも「板倉構法」を組み合わせたバランスの良い設計を心がけています。